セクハラに関して
いわゆるセクハラを被った場合に労災認定はされるのでしょうか?
実際にこのようなことは起こってはならないことですし、また起こったとしても労災申請の可否が分からず「泣き寝入り」してしまうことも考えられ、あまり一般に知られていないことのように思えます。
結論から言えばセクハラによって被った精神的被害・障害等に関しては労災と認められることがあります。
まず平成11年9月14日基発第544号において「(セクハラによる)心理的負担による精神障害等に係わる業務場上外の判断指針」という通達がなされ、被った被害が「業務上なのか業務外なのか」を判断するようになりました。
しかしこの指針ではセクハラそのものの定義が曖昧だったこともあり、平成17年12月に新しい通達がなされています(基労補発第1201001号)。
ここにおいてセクハラが男女雇用機会均等法に定めるセクハラと同じものであることを定義し、セクハラおよびセクハラに伴う変化等を総合的に評価して業務上外の認定がされるとしました。
この「変化等」とは、セクハラ防止の指針を周知しているかどうか、また相談や苦情の対応をどう行っているか、さらにはセクハラ起こった後に会社が講じた対処・配慮等を十分に検討して「被害者の心的負荷の強度を評価する」流れを指すものと考えられます。
ちょっと分かりづらい内容ですよね。
平たく言えば、深刻なセクハラ被害だけではなく、それ以外のセクハラであっても起きた後の職場内での対応が不十分なときは業務上災害と考え労災認定するということです。
換言すれば被害を受けた場合にそれによる障害が業務上なのか業務外なのか判断することが難しいという実態を浮き彫りにしているとも言えます。
昨今はセクハラからパワハラ・アカハラなどの言葉が派生して言葉から喚起されるイメージだけが大きく先行しているような気もするのですが、いずれにしても労働者保護という原点を忘れては語れません。
一般に被害を被った側への気持ちを過小に評価することで擦れ違いが起こりやすいと思われますが、そこは職場内における「風通しの良さ」とともに労使の信頼・合意関係に拠って円満な解決を目指すべきでしょう。
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