年金の支給年齢
危機的経済状況を受けてか、マスメディアなどで連日「増税」「家計破綻」などのシミュレーションが組まれ、大いに騒がれています。
その中に必ずといっていいほど含まれるのが年金の支給開始年齢を現在の原則65歳から67歳(もしくは70歳)に引き上げる・・・という憶測です。
実はこの憶測には根拠があり、米国、英国、ドイツなど先進諸国が一様に67歳以上に引き上げたことを踏まえて論拠としているんですね。
その要因として急激な少子高齢化を挙げています。
話の筋としては尤も千万に聞こえますが、米国や英国と我が国の社会保障制度はかなり相違しています。
たとえばアメリカは低福祉低負担と言われるように市場経済主義を第一義に挙げ、規制緩和や小さな政府路線をひた走っている国であり、その社会保障制度は範を垂れるものではありません。
インパクトでは米国や英国よりドイツの例が一番大きいのでしょうね。
欧州を手本に中福祉中負担を目指してきた側面が強い我が国ですが、その欧州諸国でも必ずしも中福祉中負担が成功している訳ではないということなのかも知れません。
いずれにせよ社会保障制度における完全な正解はあり得ないですし、今までもあり得たことが無かった・・・と言えます。
ただ雇用人事の観点から65歳現役社会を謳っている国の方針を照らし合わせれば、年金「だけ」を67歳支給にするのは今ひとつ整合性がとれません。
65歳を過ぎても余裕のある雇用の創出をどのように実現させるのか、明確かつ具体的なプランと実績を得てから年金の支給開始年齢にもメスを入れるべきでしょう。
現実問題として65歳以上の方が年金を受給せず現役世代並の所得を得られるような社会的機会はまだまだ未整備だと思われます。
また加齢に伴う様々なリスクに対する保険~すなわち医療保険制度も紆余曲折を繰り返しており、年金を受給する側の立場・視点から見た基盤整備は非常に脆弱であることを考えれば、この支給開始年齢の引き上げだけを「独り歩き」させるわけには行かないような気もします。
難しい話であると思いますが複眼的思考で捉えていきたい問題ですよね。
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