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2008年11月

2008年11月26日 (水)

蟹工船

      
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

著者:小林 多喜二

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

久しぶりの雑談更新です。
ブームになっている「蟹工船」を読みました。
暗澹たる描写が続きますが、その一言一言に力強い意志が込められている気がして厳粛な気分になります。
プロレタリア文学の傑作と呼ばれるのも宜なるかなです。
私は国文学を専攻したのですが、小林多喜二を直接取り扱ったゼミや演習はありませんでした。
文学史で習う程度であって、その内容まで踏み込むような機会は無かったんですよね。
私自身は耽美主義が好きで谷崎や鏡花・三島などを好んで読んでいたのですが、当時はプロレタリア文学に対する先入観も強かったように思えます。
おそらく若かりし日の私にとって、この作品を読もうと思うきっかけそのものが見当たらなかったのでしょう・・・
あれから20年近くを経て読了しましたが、作者が訴えたかった「本当の社会の様子」を現在に置き換えて投影することしばしでした。
いたずらに現在の労働法制を引き合いに出して論じることは控えた方が良いのかも知れませんが、労基法に謳われる「人たるに値する生活」とは何なのだろうと考えさせられます。
興味深い文学作品です。

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2008年11月20日 (木)

名刺の裏

新たに名刺を増刷にあたって、裏面の業務案内に「金融資産運用の設計・相談」の一言を付け加えました。
「設計」するほどのスキームを提案できる自信はないのですが、今後少しずつコンサルタント業務も展開していきたいと考えている状況にあって、自分へのプレッシャーという意味で書き添えました。
今まで様々な方から名刺を頂いたのですが、それらの裏面には十人十色の創意工夫がなされていて面白いですし勉強にもなります。
名刺交換の場で即座に裏に書かれてある文言の一つ一つを確認することはあまりないのでしょうけど、後日になって名刺整理をするときに興味を持って拝読することが多いですね。
もちろん敢えて白紙にするのも一つのインパクトだと思いますし、むしろその方が業務を明確に伝えるに長けているケースもあるのでしょう。
いずれにせよ名刺の裏面はちょっとした「言説空間」と言えるのかも知れません。
ちなみに私は深紅の名刺入れを使っています。
取り出すときにとても目立つからです。
その時点で相手の興味を喚起することができますし。
名刺は一番小さなビジネスツールですが、名刺から営業プロセスは始まっていくものです。
奇をてらわず、でも個性的なものを用意したいですよね。

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2008年11月13日 (木)

就職活動アンケート

就職活動を控えた大学三年生のアンケートで、90%が「就職活動が厳しくなる」と答えたそうです。
昨年の同じアンケートで「厳しくなる」と答えた割合が10%ということですので、この1年間の急激な経済状況の変化・悪化を如実に物語っているような気がします。
新規求人数は景気の先行指数とされていますが、企業が経済情勢に合わせて行う様々な施策のうち、雇用の調整は最終的な手段と言われてます。
それだけ企業にとって「人」は大きな価値であり、その調整には慎重を期して臨むはずです。
今回のアンケート結果は景気後退の深刻さを表していると言えるでしょう。
私事、私の世代は「入学の時はバブル期、卒業の時は氷河期」という憂き目に遭いました。
単純に比較することは出来ませんが、15年前も急激な情勢変化に翻弄されました。
終身雇用という日本的雇用慣行に対して否が応でも疑問を感じ取った世代と言えるのでしょうね。
今年の9月15日以降を「世界を揺るがした10日間」と呼び習わして、あたかも不景気到来の「きっかけ」であり、かつ、「いいわけ」であるかのように認識されることも多くなるとは思いますが、世界経済や企業経済というのは全く読めないものであり、様々な要因の多重構造によって左右されるのですから、まずは職業(ライフスタイル)に対する確乎たるビジョンを持って振り回されないこと・・・
難しい話ですが、これが一番大切なような気もします。

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2008年11月 8日 (土)

前期高齢者医療制度

とある相談会で前期高齢者医療制度という言葉を使ったところ、この言葉と制度がほとんど知られていないことに気がつきました。
前期高齢者医療制度は65歳から74歳までの医療保険加入者を対象とした枠組みのことを指します。
「制度」となっていますが、後期高齢者医療制度のように別個の医療保険制度が存在するわけではありません。
国保や健保など、今まで加入してきた保険制度に「籍をおいたまま」、65歳以上75歳未満の方々を前期高齢者と位置づけ、それらを対象に財政調整を行います。
一般にこの年齢層の加入者が多い国保に対して、この年齢層の加入者が少ないと思われる健保(協会・組合)が交付金を充てて財政の調整を行う・・・要約すればこのような内容でしょうか。
制度間の財政調整を目的とした枠組みであるため、前期高齢者になったからといって急に負担割合が変わったり、保険料が増額されると言うことはありません。
しかし考えられる問題点は、協会健保や組合健保が後期高齢者医療制度だけでなく前期高齢者医療制度への費用負担も行うことになっており、相応の財政逼迫を招くのではないだろうかということです。
特に組合健保の財政悪化が問題となっている昨今、そののしかかった負担増は組合そのものの存続を危うくしてしまう悪循環に拍車をかけてしまうかもしれません。
これらは被保険者にとって目に見えない問題点です。
しかしいずれはこのような問題が被保険者に対する適切な医療の提供を妨げる遠因になっていくことも懸念されます。
高齢者医療確保法は非常に複雑で、かつ、急な改正が多く、その全体像を鳥瞰することは難しいものになっています。
しかし医療サービスを受けるという極めて日常的な営みが内包している制度矛盾や制度疲労を理解すること・・・これからこのような意識が強く求められてくるかもしれませんね。

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2008年11月 6日 (木)

アルバイトの時給

9月における三大都市圏のアルバイト平均時給額の伸び率が頭打ちとなって、平均952円だったそうです。
業種別には看護師などの専門職に伸びがあったものの、営業職などが落ち込み、全体の平均額を引き下げる結果になったとか。
しかしこれらは平均額であって、実態としてはもっと低いんじゃないかと思うのが一般的感覚ではないでしょうか。
ところで今年の4月に改正パートタイム労働法が施行されましたが、パートとアルバイトは違うのでしょうか?
この法律にはアルバイトは含まれないのでしょうか?
パートタイム労働法第2条には「この法律において「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう」と書かれてあります。
つまり短時間労働者という非常に大きな括りでもって正社員との違いを明確にしているに過ぎず、労働時間の長短以外の差異、すなわちパートやアルバイトという職務上の呼称は影響を受けません。
結論から言えば労働法上はパートもアルバイトも同じなんですね。
話がそれてしまいましたが、アルバイトの賃金は一般に低額です。
この背景には「臨時的、一時的雇用」という考えがあるのでしょう。
しかしアルバイトの中には長期間働きたい意志を持っている人も多いはずです。
全員が全員、臨時的、一時的雇用で納得しているわけではないのです。
しかしながら賃金の低さがネックとなり結果として短期の就労で終わってしまうこともあるのでしょう。
企業としてはアルバイトを雇うときに、そのアルバイトが就く職務の内容をしっかり検討して、それに見合った賃金計算をする姿勢も大切です。
その検討事項の一つに「長期間就労して貰って技術や経験を身につけて欲しい」という視点も求められると思います。
福利厚生等の充実も含めアルバイト就労の見直しが必要な時代になっていると思います。

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2008年11月 1日 (土)

雇用保険料の引き下げ

政府が来年度の雇用保険料の引き下げを決定したそうです。
現行より0.2%ほど下げることになりそうですが、その理由として「失業率はマクロな視点で見れば改善されていること、故に積立金に余裕があること、今回の引き下げで国民負担を3000億ほど減少できること」の3点を挙げています。
また軌を一にして発表された完全失業率は前月比0.2%の改善でした。
以前にも書きましたが、労働保険は保険料徴収に「概算払い」「確定精算」の仕組みを採用しているため、社会保険に比べて収支が極めて安定していると言われています。
そのような背景もあり、今回の理由の一つに挙げられている積立金の余裕こそが、保険料引き下げの最大の理由であり根拠なのでしょう。
しかし失業率の改善云々のくだりはどうでしょうか。
そもそも失業率の統計には1週間に僅かなパート・アルバイト労働をした人は就業者として除外されるようになっています。
短期雇用、その中でも日雇い労働の問題が浮き彫りになっている昨今、この統計をそのまま鵜呑みにするのは少し危険なような気がするんですね。
また周知の通り失業率は景気の遅行指数です。
すなわち現実に直面している「景気」とのタイムラグや乖離は否めません。
今後の景気動向によっては失業率の数字とはかけ離れて、多くの失業者を生む結果になってしまう懸念を誰も払拭できないと思います。
政府は最終的に雇用保険の国庫負担を廃止したい意向ですが、厚労大臣を含め連合会も反対の異を唱えているように、この法における国庫は決して「ムダ金」ではないと思うのです。
今回は保険料の引き下げというニュースですが、これが現在も検討されている国庫負担廃止につながっていくのがどうか注視したいところですよね。

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